ステンレス線について
ステンレス鋼とは、鉄にクロムやニッケルを加えた合金鋼で、クロムを13%加えたマルテンサイト系、クロムを18%加えたフェライト系、クロムを18%にニッケルを8%加えたオーステナイト系に大別され、これにモリブデンや銅など特殊元素を加えたものなど、多数の種類があります。それぞれの特性を活かした加工方法、形状、使用用途などにより、使い分けられています。
弊社は主に冷間圧造用の非鉄金属鋼線、ステンレス鋼線を扱っておりますが、線だけではなく求められる形状、機能、使用設備、加工方法などから、40年以上にわたる経験、知識、メーカー様各社とのネットワークを活用することにより、お客様において最大限の価値を創造できるようご提案させていただきます。
鋼線のことならサンエツ商事にご相談ください
弊社は、創業以来、冷間圧造用鋼線に特化して製造業者様をサポートしてまいりました。そのため、どのような形状・条件の製品に対して、どのような鋼線が適しているかをご提案することができます。
製造物の形状・条件に加えて、御社で使われている工具についてヒアリングを行い、どのような仕様の鋼線が適しているか、一社一社ご提案します。
御社の製造する製品の形状・条件に合っていない素材を使用した場合、素材コストは安くできますが、工具の寿命が短くなり、不良品も発生しやすいため、かえって割高になってしまいます。
製造する製品に適した仕上・被膜の素材を使用することで、工具寿命を延ばすことができます。また不良品の数も少なくなるため、トータルコストを削減することができます。
被膜・仕上について
鋼線は、製造する製品の形状や条件に合わせて、検討する必要があります。最適な鋼線を使用することで、摩擦熱による焼き付きを防ぐことができ、工具が長持ちさせ、不良品を削減することが可能です。
鋼線の表面に下記の仕上を組み合わせた処理を行うことで、トータルコストを削減できる鋼線の製造が可能です。弊社ではお客様一社一社に合わせて、最適な鋼線のご提案します。
光輝仕上
光輝仕上は、冷間圧造において一般的に裸と呼ばれており、加工後の被膜除去処理が容易であることが特徴です。
軽度の加工に向いており、強加工、絞り加工には不向きですが、ヘッダーオイルなどの使用により、軽度の絞りも可能になります。
表面肌に光沢があり、他の被膜処理品に比べ、加工後も表面の粗さが滑らかです。
- 主な用途
- マイクロネジ、小ネジ、タッピングネジ、軽度加工品など
樹脂被膜
光輝仕上よりも強加工に向いていますが、蓚酸被膜(冷間圧造において一般的にボンデ仕上と呼ばれている)よりは加工率の低めなものに使用されるケースが多い仕上です。
金型工具寿命対策や軽度の絞り加工、軽度の段付き加工などに推奨しています。加工後の被膜除去処理が、蓚酸被膜よりも比較的容易な仕上です。
- 主な用途
- 軽度の絞り加工品、段付き加工品など
蓚酸被膜(ボンデ被膜)
絞り、膨らましなど加工率の高い強加工、重加工、長物、多段打ち向けなどに適した仕上です。
加工形状、金型工具寿命対策などのため、湿式伸線・乾式伸線や各種樹脂被膜などと組み合わせることにより、要求される難度の高い加工に対応することができます。
- 主な用途
- 金型工具摩耗対策として強加工品、重加工品、多段打ち加工品など
取り扱い鋼種について
弊社で取り扱う主な冷間圧造用鋼線の鋼種についてご紹介します。
下記以外の冷間圧造用、切削用、一般加工用ステンレス鋼種につきましても、お気軽にお問い合わせください。
特性、成分、使用用途についても、ご相談いただければ、ご説明させていただきます。
主な取り扱い鋼種
区分 | 鋼種 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|---|
オーステナイト系 | SUS304 | 耐食性、耐熱性から一般加工用として最も広く使用される代表的鋼種 | シャフト、ボルト、各種ネジなど |
SUS XM7 | SUS304に銅を添加し圧造性を高めた鋼種 | ボルト、リベット、各種ネジ、ヘッダー加工用 | |
SUS384 | ニッケル増量で加工硬化低減、圧造性をより高めた鋼種 | 特殊形状ネジ、マイクロネジ | |
フェライト系 | SUS430 | クロム系の代表的鋼種 冷間圧造では汎用的に使われる鋼種 | ボルト、リベット、各種ネジ |
SUS434 | SUS430にモリブデンを添加し、耐食性を高めた鋼種 | リベット、各種ネジ | |
マルテンサイト系 | SUS410 | 加工後焼き入れすることにより強度を高める鋼種 | 各種ネジ、パーツなど |
SUS420J2 | 焼き入れ後の硬さが高い鋼種 | シャフト、パーツなど |